2008年 2月の展覧会

TONGPHAR AND SUNSETS CORN` / 拐棍 和 三節棍
- Birth, Destruction and Re-Birth of Life -
Shunsuke Kawasaki

立体と平面作品

2008 年 2月 6日 (水) 〜2月23日 (土)
レセプション:2月8日(金)、午後5時〜7時半

開画廊時間 :火〜土 12:00-6:00PM (閉館日:日曜日・月曜日)

 

 TONGPHAR AND SUNSETS CORN' 拐棍 和 三節棍
 - Birth, Destruction and Re-Birth of Life -

川崎俊輔 個展

2月の展覧会は川崎俊輔の立体作品と平面作品による個展です。

 川崎の立体作品はABSによって作られている。ABS樹脂(加工しやすく、強度が高いプラスティック)の作品は、土に返らず、地球を破壊することにより「生み出した」ものとなる。そしてABS製の作品の形は自然界には無い形をしていて、人間が生み出したものの象徴として機械(ロボット)のような形をしている。これは、幼少期に誰もが体験する好奇心、自分の興味ある物を具体化したいという欲望の延長線上にあるといえよう。
 また反対に平面作品は「破壊」を表現していている。紙に描かれた緻密であり滑らかな線は自然界に存在する生命が描かれており、すべての生物の細胞のようにも感じられる。今ここに人間が存在しているという事実を、喜びとして感じられ、そしてそのすべてが死に至るということまでもが素直に心地よく説得させられる。
「現代に生きる人間の一生の行為とは破壊→生み出す→破壊の繰り返しである」と川崎は言う。何かを生み出すには何かを破壊し、破壊によってまた何かが発生するということの象徴であり、アイコンとして彼の立体作品と平面作品は創り出される。
 
 川崎は、中国のアモイで制作活動をしている。アモイは中国福建省南東部にあり、中国有数の貿易港として栄えてきた都市で西洋文化の影響をうけている街だ。その中で日本人として、アジア人としての意識をしながら世界を見つめてきた彼の作品がはじめてニューヨークにて展示される。

川崎の作品と向かい合い、地球規模、世界規模の中の自分の存在を考えてみませんか。貴方の中の何かのモチベーションに変化があるはずです。

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(この展覧会のタイトルTONGPAHRは警棒、SUNSETS CORN'は中国拳法に使用するヌンチャクのような武具の一種。TONGPAHR AND SUNSETS CORN'は、川崎自身が好んで使用している造語です。)

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オープニングレセプション

2008 2月8日(金)

ギャラリーに足を踏み入れると、エイリアンの惑星に住む生き物達がお出迎え。そんなSF感覚を味わえる展覧会、“TONGPHAR AND SUNSETS CORN(拐棍 和 三節棍)- Birth, Destruction and Re-Birth of Life”のオープニング・レセプションが、作家川崎俊輔を迎えて開催されました。会場にずらっと並んだABSプラスティック樹脂製のロボット的形態のクリーチャー(環境破壊と人工的産物の象徴)、自然界の生命を描いた緻密な絵画作品(破壊を表現)に囲まれていると、異次元の世界にいるような気分に。丸い面、角が一切ないにも関わらず、有機生命体の「ぬくもり」を感じさせるクリーチャー達には、「どれもが、いまにも動き出しそう」という声が、目立ちました。ここアメリカにもすっかり定着したアニメとの関係、影響を熱心に語り合うゲストの姿も見かけられ、通常とは違った作品を楽しんでいる様子でした。
中国アモイに居を構え、創作活動に励む異色作家、川崎俊輔。今後の更なる発展、活躍が楽しみな若手作家の一人です。

 

会場風景 写真 / 作家(右)、奥様(左)と/ 鳥?

 

NY Coo Gallery